インライン書式設定
インライン書式を使用すると、オブジェクトに含まれる各式に異なる書式を設定することができます。
これは、以前のバージョンの FastReport で使用されていました。現在は使用されていません(書式のダイアログを使用して、式ごとに異なる書式を設定します)。
下記のテキストをフッターのテキスト オブジェクトに入れ、すべてのテキストが表示できるようにテキスト オブジェクトのサイズを変更します。
合計:[SUM(<Group."ItemsTotal">,MasterData1)]
件数:[COUNT(MasterData1)]
注文の合計と件数がオブジェクトに表示されます。
レポートをプレビューすると、どちらの値も以前に設定した通貨の書式で表されます。これは正しくありません。
それぞれの値を正しい書式で表示するには、個別に書式設定する必要があります。これを行うには、書式タグを使用します。このタグは、式の閉じる角かっこの直前に置かれます。
この例では、オブジェクトの書式設定を無効にします(書式エディターで "テキスト(書式設定なし)" カテゴリを選択します)。2 番目の式は、既定で(つまり、整数として)正しく表示されるようになるので、今度は最初の式の書式を指定する必要があります。次のようにオブジェクトのテキストを変更します。
合計:[SUM(<Group."ItemsTotal">,MasterData1) #n%2,2m]
件数:[COUNT(MasterData1)]
レポートをプレビューして、オブジェクトが正しく表示されることを確認します。
書式タグの一般的な構文は次のとおりです。
[式 #書式タグ]
式と "#" 記号の間のスペースは必須であることに注意してください。
書式タグ自体は次のようになります。
#nformat_string
- 数値の書式
#dformat_string
- 日付/時刻の書式
#bFalse,True
- ブール値の書式
各ケースの format_string は、書式設定に使用される関数への引数です。そのようにして、数値の書式設定には Delphi の Format 関数が使用され、日付/時刻の書式設定には FormatDateTime
関数が使用されます。これらの関数の構文については、Delphi のヘルプ システムを参照してください。以下は、FastReport で使用されているいくつかの値です。
数値の書式:
%g
- 小数点以下の桁数が最小の数値
%2.2f
- 小数点以下の桁数が固定の数値
%2.2n
- 前と同様の数値で、桁区切り記号を含む
%2.2m
- Windows OS で受け入れられる、コントロール パネルの地域の設定によって決まる通貨の書式
日付/時刻の書式:
dd.mm.yyyy
- '23.12.2003' 形式の日付
dd mmm yyyy
- '23 Nov. 2003' 形式の日付
dd mmmm yyyy
- '23 November 2003' 形式の日付
hh:mm
- '23:12' 形式の時刻
hh:mm:ss
- '23:12:00' 形式の時刻
dd mmmm yyyy, hh:mm
- '23 November 2003, 23:12' 形式の日付と時刻
数値書式の format_string では、ピリオドの代わりにカンマやダッシュ記号を使用できます。この記号は、値の整数部と小数部の間の区切りとして使用されます。その他の文字は許可されていません。
#b
形式(ブール値)の書式の場合、format_string はカンマで区切られた 2 つの値で入力されます。最初の値は "False" に対応し、2 番目の値は "True" に対応します。