基本レポートの作成
継承を使用するシンプルなレポートを作成してみましょう。完成したレポートは次のようなレポートになるはずです。
まず、基本レポートを作成する必要があります。どの要素を含める必要がありますか?ロゴのビットマップと、"Our company" というタイトル、そして電子メール アドレスです。新しいレポートを作成し、レポート タイトルに共通のオブジェクトを配置します。
base.fr3
という名前でレポートを保存します。どのフォルダーに入るでしょうか?それは、TfrxDesigner
コンポーネントをどのように設定するかによります。既定では、FastReport は、アプリケーションの .exe ファイルが入っているフォルダーで基本レポートを探します。代わりの方法として、TfrxDesigner.TemplateDir
プロパティでテンプレートのフォルダーを指定することもできます。
では、派生レポートを作成します。これを行うには[ファイル]>[新規作成]メニューを使用します。ダイアログで[テンプレート]タブを選択し、基本レポート(base.fr3
)を探します。[レポートを継承する]チェック ボックスをオンにして、[OK]をクリックします。
FastReport は、基本レポートのすべてのオブジェクトを含んでいるレポートを作成します。それらのオブジェクトは「錠」記号でタグ付けされています。
「錠」記号は何を意味するのでしょうか?それは、これらのオブジェクトは、名前の変更や削除をすることも、別のバンドへ移動することもできないということです。他のプロパティ(テキスト、色、枠線など)の変更は行えます。ロックされたオブジェクトの何らかのプロパティ(たとえば、色)を変更した場合、この変更は派生レポートに格納されることに注意してください。その後に基本レポートでこのオブジェクトの色を変更しても、その変更は派生レポートでは無視されます。
たとえば、派生レポートを開いて、"Our company" の色を赤色に変更してレポートを保存します。今度は基本レポートを開いて、"Our company" の色を緑色に設定します。派生レポートを再度開くと、"Our company" の色は赤色のままです。したがって、「錠」記号の付いたオブジェクトのプロパティに対する変更は、派生レポートではなく、基本レポートにさかのぼって行うことをお勧めします。
レポートを仕上げましょう。必要なのは、ページ ヘッダーとマスター データを追加することだけです。
レポートが完成しました。