Pervasive PSQL セキュリティ
 
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Pervasive PSQL セキュリティ
トランザクショナルおよびリレーショナル インターフェイスのためのセキュリティに関する概念と作業
Pervasive PSQL は、Btrieve や SQL ベースのアプリケーションで使用できる完全なリレーショナル データベース セキュリティを提供します。この章では、これら 2 つの関係および、互いにどのように動作するのかについて説明します。
セキュリティ モデルと概念
トランザクショナル インターフェイスのセキュリティ計画
トランザクショナル インターフェイス セキュリティのクイック スタート
セキュリティの作業
データの暗号化
データベース セキュリティ
Pervasive PSQL v11 SP3 で新しいデータベースを作成したとき、デフォルトでは、データベース セキュリティはオフになっています。これは、"Master" ユーザーのパスワードを指定することによってオンになります。パスワードに関する制約については、識別子の種類別の制限の表を参照してください。
Master ユーザー
データベース セキュリティは、セキュリティをオンにしたときに、データベースヘのフル アクセス権を持つ "Master" という名前のデフォルト ユーザーが存在するかどうかに基づきます。デフォルトでは、Master ユーザーのパスワードは設定されていません。Master ユーザーのパスワードを指定すると、セキュリティが有効、つまりオンになります。
Master ユーザーは、グループやほかのユーザーを作成したり、作成したグループやユーザーにデータ アクセス権限のセットを定義することができます。ユーザーやグループは、SQL ステートメントを使用して、あるいは Pervasive PSQL Control Center(PCC)を使用して追加できます。
特殊な PUBLIC グループ
すべてのユーザーに同様のアクセス権を付与したい場合は、それらのアクセス権を "PUBLIC" という名前の特殊なグループに付与することができます。最初、PUBLIC には何のアクセス権も割り当てられていません。
PUBLIC はすべてのユーザーおよびグループにデフォルトのアクセス権を与えることから、特殊なグループと呼ばれます。データベース エンジンは常に、まず PUBLIC に割り当てられているアクセス権を調べます。PUBLIC のアクセス権の適用方法をわかりやすくするために 2 つの例を示します。
PCC で、PUBLIC に CREATE TABLE 権限を割り当てるとします。次に、PCC で "myuser" という名前のユーザーを作成しますが、ユーザーのアクセス権にテーブルを作成するための個別の権限は含めないものとします。データベース エンジンは最初に PUBLIC のアクセス権を調べるため、この場合、テーブル作成の権限は PUBLIC から付与されることになり、myuser はテーブルを作成できます。
逆に言えば、PUBLIC にアクセス権が付与されていない場合は、個々のユーザーまたはグループに付与されているアクセス権が適用されます。たとえば、PCC で、PUBLIC に CREATE TABLE 権限を割り当てないとします。ユーザーまたはユーザーが属するグループのアクセス権がテーブルの作成を許可しない限り、どのユーザーもテーブルを作成できません。
ユーザーとグループ
データベース セキュリティをオンにしたら、グループとユーザーを定義することができます。PCC の Pervasive PSQL エクスプローラー にグループおよびユーザーのノードが現れます。『Pervasive PSQL User's Guide』のユーザーとグループの作業を参照してください。
制限
ユーザーは、複数のグループのメンバーになることはできません。
グループ内のすべてのユーザーは、そのグループに定義された権限と完全に同じ権限を持ちます。グループのメンバーであるユーザーに個別に権限を許可したり取り消したりすることはできません。
グループを別のグループに追加することはできません。
セキュリティ モデルと概念
このセクションでは、SQL(リレーショナル)および Btrieve(トランザクショナル)で使用できるセキュリティ モデルについて説明します。両方のインターフェイスは、ユーザーに権限を割り当てる方法の選択に際して、同レベルの精度を共有しています。どちらのインターフェイスもデータベース セキュリティをサポートします。トランザクショナル インターフェイスには、アクセス許可の方法を決定するセキュリティ ポリシーが追加されています。リレーショナル インターフェイスは列レベルのセキュリティをサポートしています。
メモ: トランザクショナル インターフェイスのセキュリティ ポリシーを指定しても、リレーショナル インターフェイスのセキュリティには何ら影響ありません。しかし、説明上、トランザクショナル インターフェイス セキュリティで説明されているデータベース ポリシーと、リレーショナル インターフェイスのセキュリティは同じタイプであると考えてください。2 つのインターフェイスのセキュリティにおける主な違いは、リレーショナル インターフェイスのセキュリティ ポリシーを変更できないことです。セキュリティはオンかオフのいずれかです。オンの場合、セキュリティはトランザクショナル インターフェイス用のデータベース ポリシー タイプのセキュリティに類似しています。
リレーショナル インターフェイスで使用可能なモデル
リレーショナル インターフェイスの場合、セキュリティはオンかオフのいずれかです(上記の「メモ」を参照してください)。デフォルトで、セキュリティはオフになっています。セキュリティは、Master ユーザーのパスワードを指定することによってオンになります。
セキュリティをオンにしたら、PCC を使って最低でも、データベースヘのログインを許可するユーザーを定義する必要があります。ユーザーごとにオブジェクトの権限を設定することができます。さらに、ユーザーのグループを定義したり、各グループにオブジェクトの権限を設定することもできます。
SQL Engine Reference』では、以下の内容がリレーショナル インターフェイス用のセキュリティに適用されます。
ビューおよびストアド プロシージャに対する権限
ALTER GROUP
ALTER USER
CREATE GROUP
CREATE USER
DROP GROUP
DROP USER
GRANT
REVOKE
SET PASSWORD
SET SECURITY
psp_groups
psp_procedure_rights
psp_table_rights
psp_view_rights
psp_users
複数のデータベースのデータは、データベースが同じマシン上に存在するのであれば、アクセスできます。ただし、一度に 1 つのデータベースにしかログインできません。各データベースのセキュリティを基に、適用されるデータベース アクセスの状況を示します。
ログインしているデータベースのセキュリティ
ログインしていないデータベースのセキュリティ
説明
オン
オフ
アクセスのすべての権利が付与されます。
オン
オン
ユーザー名とパスワードが、両方のデータベースでまったく同じでなければなりません。
オフ
オン
アクセスは拒否されます。
これ以降のセキュリティについての説明は、トランザクショナル インターフェイスにのみ当てはまります。リレーショナル インターフェイス以外の説明が不要であれば、データの暗号化へ進んでください。
トランザクショナル インターフェイスで使用可能なモデル
トランザクショナル インターフェイスで使用可能な認証および許可モデルには、次のモデルがあります。
クラシック
混合
データベース
このセクション、およびこれ以降のセキュリティについて説明は、トランザクショナル インターフェイスのみを使用するアプリケーションに当てはまります。「資格情報」、「ログイン資格情報」、または「ユーザー資格情報」は、有効なユーザー名とパスワードの一組を指します。
Pervasive PSQL v11 SP3 では、OS に依存しないデータベース認証および許可の機能がトランザクショナル インターフェイスで利用できます。従来の(オペレーティング システム)認証モデルは本リリースでも今までどおり使用できますが、Btrieve のユーザーおよび権限がファイル システムのユーザーおよび権限から派生されない場合に、モデルを選択できるようになりました。ユーザーにデータ ファイルへのオペレーティング システム アクセスが許可されていなくても、そのユーザーにデータベースヘのアクセスを許可できます。
現在ある Btrieve アプリケーションは、アプリケーション コードに何ら変更を加える必要なく、新しいセキュリティ モデルを利用することができます。
クラシック
クラシック セキュリティは、本製品の以前のリリースで提供された Btrieve セキュリティ モデルです。Btrieve ユーザーの場合、認証はオペレーティング システムによって実行され、データ アクセス権限は当該ユーザーのファイル システム権限によって決定されます。オペレーティング システムに依存しないデータベース エンジンで提供される唯一の許可機能は Btrieve オーナー ネームで、これは実質的にはファイル アクセス パスワードです。
このセキュリティ モデルでは、オペレーティング システムによって認証されるユーザーはみな、オペレーティング システムを介してデータ ファイルを読み書きする必要があるため、Btrieve を介してデータにアクセスする場合も同様の権限を持ちます。Btrieve オーナー ネームはこの規則の例外で、付加的な許可レベルを提供するものです。ただし、この許可レベルはユーザーの ID とは関連付けられません。アプリケーションまたはユーザーが指定されたファイルにオーナー ネームを供給できるかどうかということとのみ関連付けられます。
Btrieve オーナー ネームの詳細については、オーナー ネームを参照してください。
クラシック セキュリティの設定
クラシック セキュリティでは、データベースのユーザーおよびアクセス権限の設定は、オペレーティング システムでユーザーを作成し、ファイル権限を割り当てることによって行います。データベース エンジンを構成するために実行する別の操作はありません。
ユーザー アカウントの設定方法および権限の割り当て方法についての説明は、オペレーティング システムに付属のドキュメントを参照してください。
混合
混合セキュリティ モデルでは、データベース ログインの発生時、データベース エンジンはユーザーが入力したユーザー名とパスワードをオペレーティング システムの認証サービスに渡します。オペレーティング システムがユーザー名とパスワードを認証した場合、データベース エンジンはデータベースのユーザーおよび権限テーブルを使って、当該ユーザーの具体的なアクセス権を決定します。したがって、各ユーザーのデータ アクセス権限をデータベース内に定義しておく必要があります。言い換えると、データベース エンジンは、当該ユーザーのデータ ファイルに対するファイル システム権限に関係なく、定義されている権限を適用します。
Btrieve アプリケーションのデータベース許可は、リレーショナル インターフェイスのセキュリティ モデルを拡張することによって提供されているため、Btrieve アプリケーションでも使用できます。ユーザーを定義し権限を設定する機能は、PCC によって、また、GRANT、REVOKE、ALTER GROUP、CREATE USER、ALTER USER、DROP USER などの SQL ステートメントによっても提供されます。
混合セキュリティ モデルでは、データベースに定義されているユーザー名はすべて、オペレーティング システムに定義されているユーザー名と完全に一致していなければなりません。データベース ログイン中は、データベース エンジンはユーザーが入力したユーザー名とパスワードを単にオペレーティング システムの認証モジュールに渡すだけです。オペレーティング システムが資格情報を認証した場合、データベースは自身のユーザーおよび権限テーブルを使って、当該ユーザーの具体的なアクセス権を決定します。各ユーザーをデータベースに追加する必要があります。各ユーザーのアクセス権を個別に定義する代わりに、デフォルト グループの PUBLIC を使って 1 度にアクセス権を定義することができます。有効なユーザーは、PUBLIC グループに付与されているアクセス権を自動的に継承します。
混合セキュリティ環境を設定する詳細な手順については、混合およびデータベース セキュリティの設定を参照してください。
データベース
データベース セキュリティ モデルでは、データベース エンジンが Btrieve データ ファイルのユーザーの認証と許可を行います。ユーザーがデータに接続しアクセスする能力は、そのユーザーがアプリケーションを実行するコンピューターに正常にログインできる限りは、オペレーティング システムのアカウント識別情報やファイル システム権限とは関係ありません。
Btrieve アプリケーションのデータベース認証および許可は、リレーショナル インターフェイスのセキュリティ モデルを拡張することによって提供されているため、Btrieve アプリケーションでも使用できます。ユーザーを定義し権限を設定する機能は、PCC によって、また GRANT や REVOKE などの SQL ステートメントによって提供されます。
メモ: 新しいデータベースを作成する場合は、今までどおり、ユーザーはオペレーティング システムで管理者レベルの権限を持っている必要があります。
データベース セキュリティ環境を設定する詳細な手順については、混合およびデータベース セキュリティの設定を参照してください。
混合およびデータベース セキュリティ モデルでの注意事項
データベースごとにユーザーのセットを定義する必要があり、ユーザーごとにアクセス権限のセットを定義する必要があります。アクセス権を割り当てる最も簡単な事例は、特殊なグループの PUBLIC にアクセス権を割り当てることです。すべてのユーザーは PUBLIC からデフォルトのアクセス権を継承します。また、当該データベースのメンバーであると判断される必要のあるデータ ファイルが格納されているファイル システム ディレクトリを指定する必要があります。
データベース エンジン(または、混合セキュリティの場合はオペレーティング システム)は、ディレクトリ ツリー内にあるデータ ファイルへのアクセスが試行されるたびに、ユーザー認証および許可を実行します。データベースとディレクトリ間のこの関連付けがないと、Btrieve アプリケーションが特定のデータ ファイルを開こうとしたとき、データベース エンジンには定義済みのユーザーおよび権限の適切なセットを判断するためのデータベース コンテキストがありません。
混合またはデータベース セキュリティ モデルは、当該データベースに属するものとして定義されているディレクトリに存在する Btrieve データ ファイルでのみ使用できます。このデータベースには、デフォルトのデータベースと現在のデータベースに記載されているデフォルト データベース DefaultDB も含まれます。データベースと関連付けられていないディレクトリにあるデータ ファイルは、クラシック セキュリティ モデルでのみアクセスできます。
これらのモデルの主な利点の 1 つは、オペレーティング システム ユーザーのデータ ファイルへのアクセスを制限する一方で、データベース エンジンを介したデータ アクセスにはフル アクセスを許可できることです。対照的にクラシック モデルでは、データ ファイルへのレコードの追加が許可されているユーザーは、必ずオペレーティング システムからもデータ ファイルのコピー、削除ができなければなりません。
メモ: ワークグループ エンジンはオペレーティング システム認証を実行しないため、ワークグループ エンジンを使用している場合の、クラシックおよび混合セキュリティ ポリシーの動作は同じです。ワークグループ エンジンを使って Btrieve データベースをセキュリティで保護したい場合は、データベース セキュリティ ポリシーを使用する必要があります。
混合およびデータベース セキュリティの設定
混合セキュリティまたはデータベース セキュリティに移行するには、多数の選択を行った上、慎重に計画を立てる必要があります。既に確立している環境では、お使いの製品環境が混乱しないように、Btrieve ファイルをデータベースにまとめる方法を考え、移行の予定を立てる必要があるかもしれません。
クラシック セキュリティから混合またはデータベース セキュリティへの変換方法に関する情報については、セキュリティの作業を参照してください。次のセクションでは、セキュリティの作業で取り上げる題材の概要について簡単に説明します。
オーナー ネーム
オーナー ネームは、Btrieve ファイルのアクセスを得るために必要なパスワードです。オーナー ネームとシステム ユーザー名あるいはリレーショナル データベース ユーザー名との間に関連はありません。オーナー ネームは、ファイル パスワードと考えてください。
短いオーナー ネームは半角 8 文字までの範囲で指定できます。長いオーナー ネームは半角 24 文字までの範囲で指定できます。 ただし、長いオーナー ネームを指定した場合、そのデータ ファイルは Pervasive PSQL v10 SP1 より前のデータベース エンジンで読み取ることができないので注意してください。 また、長いオーナー ネームを使用したデータ ファイルは、v9.5 より前のファイル形式にリビルドしようとする場合、そのオーナー ネームを最初に削除しておかないとリビルドすることができません。オーナー ネームは、長いものでも短いものでも、その最大長(8 または 24 バイト)に満たない部分は空白が埋め込まれます。
PCC では現在、ファイルのセキュリティ プロパティを介してオーナー ネームを指定する方法は提供していません。ただし、PCC の SQL Editor で GRANT ステートメントを使ってオーナー ネームを設定することができます。『SQL Engine Reference』のオーナー ネームを参照してください。Maintenance ユーティリティまたは Function Executor ユーティリティを使用して、ファイルのオーナー ネームを設定またはクリアすることもできます。Maintenance を使用した Btrieve データ ファイルの操作を参照してください。
オーナー ネームには、表 29 に示すように、いくつかの属性があります。
表 29 オーナー ネームのオプション
オプション
説明
読み取り専用
パスワードを指定しなくても、ユーザーはデータ ファイルの変更を行わないデータ アクセス操作を行うことができます。
読み取り専用、暗号化
パスワードを指定しなくても、ユーザーはデータ ファイルの変更を行わないデータ アクセス操作を行うことができます。このオプションを設定すると、データベース エンジンはオーナー ネームをキーに使用してファイルの全レコードを暗号化します。後から追加されるレコードも暗号化されます。
ノーマル
パスワードを指定しないと、ユーザーはファイル アクセス操作を一切行うことができません。
暗号化のみ
パスワードを指定しないと、ユーザーはファイル アクセス操作を一切行うことができません。追加または変更されたレコードは、パスワードを使用して暗号化されます。このオプションを設定すると、データベース エンジンはオーナー ネームをキーに使用してファイルの全レコードを暗号化します。後から追加されるレコードも暗号化されます。
備考
ファイルに暗号化を指定したオーナー ネームを最初に設定したときに、データベース エンジンはファイル全体を暗号化します。この処理はファイルが大きいほど時間がかかります。
暗号化されたファイルに対するデータ アクセス操作は通常のファイルに比べて時間がかかります。データベース エンジンは、ディスクからページを読み込むと暗号化された各ページを元に戻して解読し、ディスクに書き戻すときに再度暗号化します。
注意: 暗号化が設定されている場合には特に、ファイルのオーナー ネームを忘れないよう記録しておいてください。オーナー ネームを見つける方法はありませんし、オーナー ネームなしでデータにアクセスする方法もありません。
オーナー ネームおよびセキュリティ
保護されたデータベース内のテーブルであるファイルに Btrieve オーナー ネームが設定されている場合、データベースの Master ユーザーは、そのテーブルに対する権限を任意のユーザー(Master ユーザーを含む)に与える場合、GRANT ステートメントでオーナー ネームを使用する必要があります。
あるユーザーのためにオーナー ネームを含む GRANT ステートメントを発行すると、そのユーザーはデータベースにログインすることにより、毎回オーナー ネームを指定することなく、指定されたテーブルにアクセスすることができます。
Master ユーザーが GRANT ステートメントで正しいオーナー ネームを使ってテーブルに対する権限をあるユーザーに許可していなければ、そのユーザーが ODBC 経由でそのテーブルにアクセスを試みた場合、アクセスは許可されません。
テーブルが読み取り専用属性のオーナー ネームを持っている場合、Master ユーザーはオーナー ネームを使って自分自身に SELECT 権を特に許可しなくても、自動的に SELECT 権限を持ちます。
データ ファイルにオーナー ネームが設定されていない場合、そのファイルのリレーショナル セキュリティを有効にすると、ファイルへの Btrieve アクセスは許可されなくなります。ファイルのアクセス時にオーナー ネームの指定が可能なユーザーが Btrieve アクセスを回復できるように、そのファイルにオーナー ネームを設定する必要があります。この動作により、デフォルトの Btrieve ユーザーはリレーショナル セキュリティを迂回できなくなります。
Btrieve オーナー ネームを使用してファイルへのアクセスを許可する例については、『SQL Engine Reference』のGRANTを参照してください。
複数のデータベースのデータにアクセスする
複数のデータベースのデータは、データベースが同じマシン上に存在するのであれば、アクセスできます。ただし、一度に 1 つのデータベースにしかログインできません。各データベースのセキュリティを基に、適用されるデータベース アクセスの状況を示します。
表 30 セキュリティ設定に基づくデータベースのアクセス権
ログインしているデータベースのセキュリティ
ログインしていないデータベースのセキュリティ
説明
有効(混合またはデータベース セキュリティ モデルのいずれか)
なし
アクセスのすべての権利が付与されます。
有効(混合またはデータベース セキュリティ モデルのいずれか)
有効(混合またはデータベース セキュリティ モデルのいずれか)
ユーザー名とパスワードが、両方のデータベースでまったく同じでなければなりません。
なし
有効(混合またはデータベース セキュリティ モデルのいずれか)
アクセスは拒否されます。
トランザクショナル インターフェイスのセキュリティ計画
Pervasive PSQL v11 SP3 をインストールした後も、セキュリティのデフォルトの動作は以前のリリースと変わりません。つまり、データベース エンジンは「クラシック」、すなわち OS ベースの認証および許可を使用します。オペレーティング システムを通して特定データ ファイルへのアクセスが許可されているユーザーは、Btrieve オーナー ネームを使ってデータ ファイルへのアクセスが制限されていない限り、ファイルに対する権限と同レベルの権限をファイルに含まれているデータ レコードに対しても持ちます。
このセクションでは、デフォルト データベースや許可されたユーザー、および Btrieve セキュリティ ポリシーのその他の側面を設定するために必要な手順について説明します。
使用可能なオプション
使用できるセキュリティ オプションは 3 つあります。最適なオプションを選択するための手助けとなるよう、これらのオプションの機能を以下に示します。暗号化はどの設定でも任意です。
表 31 セキュリティ設定の機能比較
機能
クラシック
混合
データベース
管理者がユーザーごとにオペレーティング システム(OS)とデータベースのユーザー アカウントを別々に設定する必要があります。
 
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データベースのユーザー アカウントは OS のユーザー アカウントから直接派生します。
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ユーザーのデータ アクセス権は、ユーザーのファイル システムの権利とは関係がありません。管理者はデータベースを介して各ユーザーにデータ アクセス権を割り当てる必要があります。
 
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ユーザーのデータ アクセス権は、OS ユーザーのファイル システム権限から直接派生されます。
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Pervasive ベースの Windows アプリケーションから、データベースのユーザー名とパスワードを入力する自動ログイン ダイアログを表示できます。
*1
*1
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データベースは OS のログインの成功を有効なデータベース ユーザーとして受け入れます。
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ユーザーは、コンピューターにログインするのとは別にデータベースにログインする必要があります。
 
 
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1 ログイン ダイアログは、リクエスターがオペレーティング システムを介して ID を決定できない場合に現れます。
データベースのセキュリティの下では、データベースのユーザー アカウントは OS のユーザー アカウントとはまったく無関係です。
対照的に、クラシック セキュリティでは、コンピューターへのログインに成功したユーザーは、データを含んでいるファイルに対してユーザーに割り当てられているファイル システム権限のレベルに従った、そのデータベース コンテンツへのアクセス権を持ちます。
最後に、混合セキュリティ ポリシーは、ほかの両方のポリシーの側面を持っています。この方式では、ユーザーは OS のユーザー名とパスワードを使ってログインしますが、データに対するユーザーのアクセス権はデータベースに設定されているユーザー権限によって決定されます。
ポリシーの選択
このセクションでは、複数のセキュリティ ポリシーの中から 1 つを選び出す上での主な判断材料をいくつかを述べます。
クラシックを選択する理由
ユーザーがデータ ファイルへのファイル システム アクセス権を持っていることを安心して受け入れられる。たとえば、データ ファイルからレコードを削除する権限を持っているユーザーは、オペレーティング システムからそのファイル自体を削除することもできます。
管理上の面倒な作業は最小限にしたい。各ユーザーの OS ユーザー アカウントと、少なくとも 1 つのデータベース アカウントの両方を設定することはしたくない。
各ユーザーのファイル システム権限によって異なる、さまざまなデータ アクセス権を持つ必要がない。
ユーザーにデータベースのログインを個別に行わせたくない。
混合を選択する理由
ユーザーにデータベースのログインを個別に行わせたくない。
有効なデータベース ユーザーには、オペレーティング システムにおけるデータ ファイルへのいかなる権限も持たせないようにしたい。たとえば、データベースに対するあらゆる権限を持っているユーザーに、オペレーティング システムからデータ ファイルを削除する権限を持たせないようにすることができます。
OS のユーザー アカウントと同じユーザー名のデータベース ユーザー アカウントを設定するつもりである。また、データベース ユーザーごとに権限を割り当てるつもりである。選択すれば、特殊グループの PUBLIC から権限を継承することによって、すべてのユーザーが同レベルの権限を持つことができます。
データベースを選択する理由
ユーザーにデータベースのログインを個別に行わせたい。つまり、オペレーティング システムへのログイン後、ユーザーはもう一度データベースにログインする必要があります。この動作は、権限を与えられたコンピューター ユーザーの一部にはデータベースヘのアクセスが許可されているが、一部には許可されていない場合に有用です。
有効なデータベース ユーザーには、オペレーティング システムにおけるデータ ファイルへのいかなる権限も持たせないようにしたい。たとえば、データベースに対するあらゆる権限を持っているユーザーに、オペレーティング システムからデータ ファイルを削除する権限を持たせないようにすることができます。これは、混合セキュリティ ポリシーを使っても実現できます。
データベースのユーザー アカウントには、オペレーティング システムのアカウントとは異なる名前を使いたい。たとえば、オペレーティング システムのユーザー "jsmith" が "john" としてデータベースにログインすることを要求されるかもしれません。
ユーザーとその権限は、サーバーやマシンでなくデータベースの下にある。これにより、データベースのユーザーやユーザーの権限を再作成しなくても、データベースをあるマシンから別のマシンへ移動することができます。
セキュリティを設定するための準備
トランザクショナル インターフェイスのセキュリティ設定は 1 つの簡単な処理ですが、この処理には十分な柔軟性があるため、いくつかの準備を必要とします。このセクションでは、Btrieve セキュリティの設定を開始する前に知っておくべき情報について説明します。
データベースの数
混合またはデータベース セキュリティの場合は、すべてのユーザーに同レベルの権限を割り当てるか、もしくはデータベースごとに定義済みユーザーのセットを作成する必要があります。
まったく関連のないデータの本体を含んでいる Btrieve データ ファイルが 2 つ以上ある場合は、別個のデータベースを 2 つ以上設定し、それぞれに固有の許可されたユーザーのセットを持ちたいと思われるかもしれません。しかし、一般的に言えば、定義済みユーザーのセットを複数作成して管理する必要がないよう、別々にするデータベースの数は最小限にしたいでしょう。ほとんどの場合は、1 つのデータベースで十分です。データベースにおけるユーザー権限では、各ユーザーのデータベースへのアクセスを規制できるため、ある特定のユーザーのアクセスを制限するためだけに別のデータベースを作成する必要はありません。
1 つのデータベースのみが必要であると判断した場合は、既存のデータベース DefaultDB を Btrieve ファイルと関連付けられているデータベースとして使用することができます。そうではなく、独自の名前を付けたデータベースを設定することもできます。
データ ファイルの場所
名前付きデータベースのデータ ディレクトリに、データ ファイルが格納されているディレクトリを指定することによって、Btrieve データ ファイルをデータベースと関連付けます。そのため、データベースと関連付けるすべてのデータ ファイルが格納されているディレクトリを知っておく必要があります。データ ファイルがすべて特定のディレクトリ内のサブディレクトリ ツリーに存在する場合は、トップレベルのディレクトリのパス名さえわかっていれば十分です。ハード ディスク ドライブ上のすべてのデータ ファイルを含めたい場合は、"C:\" を使用することもできます。
ユーザー名とは?
混合セキュリティを使用する予定ならば、すべてのユーザーに同一の権限を割り当てるか、もしくは異なる権限を持つユーザーのユーザー アカウントを設定する必要があります。個々のユーザーを設定するつもりならば、データベース ユーザー名にしたいオペレーティング システム ユーザー名の一覧が必要です。設定するデータベース ユーザー名は、オペレーティング システム ユーザー名と完全に一致している必要があります。後からユーザー名を追加することはいつでもできますが、一度に複数のユーザーを作成した方がより効率的です。
セキュリティ ポリシーとは?
セキュリティを設定する前に、使用する予定のポリシーがどういうものであるかを知っておく必要があります。セットアップ処理はポリシーによって若干異なります。ポリシーを選択する上での考慮点は、ポリシーの選択に記載されています。
処理の概要
このセクションでは、データベースのセキュリティの設定に使用される高レベルな手順の概要を示します。より詳細な作業手順の説明については後述のセクションで提供されています。
1 準備をします。上記のセキュリティを設定するための準備で示されたとおり、必要な情報を収集し、開始するために必要な決定を行います。データベースの数はいくつにしますか?Btrieve ファイルが保存されている場所は?ユーザー名は何ですか?どのセキュリティ ポリシーを使用しますか?
2 Btrieve ファイルとともに使用するデータベースを選択し、そのデータベースにデータ ファイルの場所を示すデータ ディレクトリを設定します。この手順は、混合またはデータベース セキュリティでのみ必要となります。
この手順の詳細については、『Pervasive PSQL User's Guide』の定義済みの DefaultDB も含め、既存のデータベースを Pervasive PSQL ファイルと使用するにはを参照してください。
3 セキュリティをオンにします。
この手順の詳細については、『Pervasive PSQL User's Guide』の Pervasive PSQL エクスプローラーを使ってセキュリティをオンにするにはを参照してください。
4 ユーザーおよび権限を作成します。SQL ステートメントまたは PCC を使用して、ユーザー アカウントおよび当該ユーザーの権限を作成します。この手順は、混合またはデータベース セキュリティでのみ必要となります。
ユーザーのアクセス権を付与する最も簡単な方法については、『Pervasive PSQL User's Guide』の Pervasive PSQL エクスプローラーを使用してすべてのユーザーに権限を割り当てるにはを参照してください。
5 データベースの Btrieve セキュリティに[混合]または[データベース]を設定します。
この手順の詳細については、『Pervasive PSQL User's Guide』の データベースのセキュリティ ポリシーを設定または変更するにはを参照してください。
6 オペレーティング システムでデータ ファイルをセキュリティ保護します。混合またはデータベース セキュリティの場合、これでユーザーは、オペレーティング システムにおけるデータ ファイルへのアクセス権を何も持っていなくても、データにアクセスできるようになります。ファイルへのセキュリティ保護されたアクセスに関する情報は、オペレーティング システムのドキュメントを参照してください。
トランザクショナル インターフェイス セキュリティの作業の概要
次の表は、異なるセキュリティ モデルを使用するために必要となる作業の基本レベルを示しています。セキュリティ モデルを実装するために必要な作業については、セキュリティの作業を参照してください。
表 32 セキュリティのセットアップ作業の概要
セキュリティ モデル
認証/許可
動作および高レベル セットアップ作業の概要
クラシック
オペレーティング システム/オペレーティング システム
ユーザーにすべてのデータベース ファイルへのファイル アクセス権限を付与します。
よりアクセスを制限するために、Btrieve ファイルにオーナー ネームを追加します(任意)。
混合
オペレーティング システム/データベース
このセキュリティ モデルは、ワークグループ エンジンを使用している場合はクラシック モデルと同様の動作をすることに注意してください。
オペレーティング システムでユーザーを設定します。ユーザーはこのユーザー名およびパスワードと対照して認証されます。
個別でユーザーにセキュリティを設定したい場合は、Pervasive PSQL Control Center を使って、データベース セキュリティで同じ名前付けをしたユーザーを設定します。認証は OS レベルで発生しますが、データベース権限はデータベースに保存されるため、オペレーティング システムのユーザー名とデータベースのユーザー名は一致していなければなりません。
Pervasive PSQL Control Center または SQL ステートメントを使って、ユーザーのデータベース権限を定義します。もう 1 つの方法として、PUBLIC グループに権限のセットを定義します。グループ PUBLIC から権限を継承する、認証されたすべての OS ユーザーは、PUBLIC と同じ権限を持ちます。どのユーザーも、PUBLIC に与えられた権限より低い権限を持つことはありません。
データベース
データベース/データベース
オペレーティング システムのユーザー名とパスワードは、Pervasive PSQL データベース セキュリティとは関係ありません。
Pervasive PSQL Control Center ユーティリティまたは SQL ステートメントを使って、ユーザーを設定します。
Pervasive PSQL Control Center または SQL ステートメントを使って、データベース権限を定義します。
Pervasive PSQL Control Center の設定プロパティを使って、認証資格情報の渡し方を指定します。この手順は、新しい設定プロパティのクライアント資格情報の入力要求およびクライアント保持の資格情報の容認を参照します。
トランザクショナル インターフェイス セキュリティのクイック スタート
このセクションでは、オペレーティング システムで Btrieve データ ファイルをセキュリティ保護する一方、データベース ユーザーには引き続きデータへのアクセスを許可するための、最も簡単な方法についての手順を説明します。
この手続きが完了したら、アプリケーションを介してデータにアクセスするためのデータベース ユーザー権利に影響を与えることなく、データ ファイルに対するオペレーティング システム ユーザー権利を取り消すことができます。
メモ: データベース エンジンがインストールされているコンピューターに、管理者権限を持つオペレーティング システム ユーザーとして、または Pervasive_Admin セキュリティ グループのメンバーであるユーザーとしてログインする必要があります。
1 Pervasive PSQL Control Center(PCC)を起動します。PCC の起動方法については、『Pervasive PSQL User's Guide』の Windows での PCC の起動を参照してください。
2 作業したいデータベース エンジンが PCC に登録されていない場合は、直ちに登録します。データベース エンジンの登録方法については、『Pervasive PSQL User's Guide』のリモート サーバー エンジンを登録するにはを参照してください。
3 登録されているエンジンのデータベースを展開します(ノードの左にある展開アイコンをクリックします)。
4 PCC で、データベース DefaultDB を右クリックしてから[プロパティー]をクリックします。
5 ディレクトリ ノードを選択し、[新規]ボタンをクリックします。
6 Btrieve ファイルのパスを入力したら[OK]をクリックし、その後[適用]をクリックします。
ファイルが複数のディレクトリに散在している場合は、ファイルすべてに共通の上位ディレクトリを指定します。必要であればルート レベルを指定することもできますが、そうすると、ルート レベルとその下位ディレクトリにあるすべての Btrieve ファイルが DefaultDB に含まれてしまいます。たとえば、Windows の場合のルート レベルは C:\ となります。『Pervasive PSQL User's Guide』の定義済みの DefaultDB も含め、既存のデータベースを Pervasive PSQL ファイルと使用するにはを参照してください。
すべてのディレクトリを入力する必要はありません。データベースに含めたい Btrieve ファイルすべてに共通する最下位のディレクトリのみ入力します。
7 DefaultDB のセキュリティを有効にします。プロパティ ダイアログ ボックスのツリーで[セキュリティ]ノードをクリックします。
8 [データベース セキュリティ]タブをクリックします。
9 セキュリティを有効にする]をクリックします(オンにします)。
10 Master ユーザーに使用するパスワードを入力します。指示に従って、2 回入力します。[OK]をクリックします。
これでセキュリティは有効になりました。しかし、ユーザーは現在のところ以前と同様のアクセス権を持っているため、デフォルトでは OS のユーザー権利に基づいてアクセスが行われます。次の段階では、この状況に対処します。
パスワードは最大 8 バイトに制限されているので注意してください。パスワードには、セミコロン(;)と疑問符(?)以外のあらゆる表示可能な文字を使用できます。
11 OK]をクリックして、[プロパティ]ダイアログを閉じます。
12 DefaultDB 下の[グループ]を展開(ノードの左にある展開アイコンをクリック)し、グループ PUBLIC を右クリックします。
13 プロパティー]をクリックした後、ツリーで[権限]をクリックします。
14 [データベース]タブをクリックします。
15 必要な権限をクリックします。
たとえば、すべての認証ユーザーに読み取り専用の権限を付与したい場合は、[選択]をオンにします。このオプションにより、データの読み取り専用の権限がすべてのユーザーに与えられます。すべてのユーザーに更新権限を付与する場合は[更新]をオンにし、その他同様に行います。
ユーザーによって異なる権限を付与する場合は、グループ アカウント(必要な場合)および個々のユーザー アカウントを作成する必要があります。これは、SQL で GRANT ステートメントを使用するか、または PCC を使用して行います(セキュリティの作業を参照してください)。
16 OK]をクリックします。
17 データベース DefaultDB を右クリックしてから[プロパティー]をクリックします。
18 セキュリティ]をクリックし、[Btrieve セキュリティ]タブをクリックします。
19 混合]をクリックし、[OK]をクリックします。
メモ: 手順 15 を指示どおりに完了するまでは、[Btrieve セキュリティ]のポリシー設定を変更してはいけません。ユーザー アカウントを作成していなかったり、グループ PUBLIC に権限を付与していなかったりすると、セキュリティ ポリシーの変更によって、すべてのユーザーがデータにアクセスできなくなります。
以上の手順により、オペレーティング システムによって認証されているユーザーにのみログイン アクセス権が許可され、それらのユーザーのアクセス権は、データベースでそのユーザーに付与した権限によって定義されるようになりました。
20 お使いのオペレーティング システムの手順に従って、オペレーティング システムでデータ ファイルをセキュリティ保護します。これで、データベース エンジンを介してデータにアクセスする能力に影響を与えることなく、オペレーティング システム ユーザーがデータ ファイルに対するあらゆる権限も持つことを拒否できるようになりました。
注意: 必ずオペレーティング システムでデータ ファイルをセキュリティ保護してください。この手順を実行しないと、ユーザーは依然としてこの処理より前の段階と同じレベルの権限によって、オペレーティング システムからファイルにアクセスできてしまいます。ユーザーが直接ファイルを変更、削除できないようにするには、ユーザーのデータ ファイルに対するオペレーティング システム権限を取り消す必要があります。
セキュリティの作業
Pervasive PSQL User's Guide』のセキュリティの作業を参照してください。
データの暗号化
Pervasive PSQL v11 SP3 には、Pervasive PSQL 使用時に発生するデータベース関連のネットワーク トラフィックを暗号化する機能があります。この種の暗号化は、多くの場合「ワイヤ暗号化」と呼ばれます。これは、データがネットワーク ワイヤ上、あるいはワイヤレスも含め、あらゆる介在するネットワーク インフラストラクチャ上を通るときに保護されるからです。ワイヤ暗号化の使用が要求されていないときは、アプリケーションによってネットワーク上で送信されるデータへの不正アクセスに対する追加の抑止力を提供します。
この暗号化機能は、セキュリティ モデルとは直接関係ありません。どのセキュリティ モデルも、ワイヤ暗号化をオンにして、またはオンにしないで使用できます。
ワイヤ暗号化の設定プロパティ
ワイヤ暗号化に関連する 2 つの設定があります。これらの設定は、サーバーはもちろん、各クライアント マシンで設定する必要があります。これらの設定の詳細については以下を参照してください。
ワイヤ暗号化
ワイヤ暗号化レベル
ワイヤ暗号化の設定にアクセスするには
1 PCC の Pervasive PSQL エクスプローラー で、次のいずれかを実行します。
a. サーバーの場合は、[エンジン]ノードの下にあるサーバー名を右クリックします(ノードを展開するには、プラス(+)記号をクリックします)。
b. クライアントの場合は、[ローカル クライアント]ノードの下にある[MicroKernel ルーター]を右クリックします(ノードを展開するには、プラス(+)記号をクリックします)。
2 プロパティー]をクリックします。
3 ツリーで[アクセス]をクリックします。
暗号化の注意
製品の本リリースは、ネットワークを通じてデータを渡す前に、"Blowfish" というよく知られた、実績のあるパブリック ドメインの暗号化アルゴリズムを使って暗号化を実行しています。
40 ビット キーを使用する暗号化では、最少量の保護がデータに提供されます。56 ビット キーを使用する暗号化では、解析がより困難になります。最後に、128 ビット キーを使用する暗号化は、一般に最も解析が困難であると見なされています。
メモ: 暗号化を使用すると、データのネットワーク スループットが低下します。
以前のバージョンとの互換性
以前のバージョンの Pervasive PSQL はワイヤ暗号化をサポートしていなかったため、これらは、本リリースの暗号化を要求するクライアントまたはサーバーと通信することができません。暗号化をサポートしていないクライアントまたはサーバーは、暗号化を要求するクライアントまたはサーバーに接続しようとすると、エラーを返します。
暗号化の設定
お使いの環境で暗号化の設定をオンにする前に、まず、暗号化の必要性について考慮してください。状況に応じて、さまざまな方法で暗号化環境を設定することができます。次の 4 つの一般的な方式を設定できます。
暗号化なし
すべての通信を暗号化
特定のクライアントとの通信を暗号化
特定のサーバーとの通信を暗号化
暗号化なし
まず最初に、そのデータに暗号化が必要であると考えられる特性があるかどうかを検討します。データは機密か?権限のないユーザーの管理下にあって利用価値のあるデータか?組織に危害を加えるために利用することができるか?これらの質問やその他類似する質問の答えが「いいえ」である場合は、データを暗号化する必要はまったくなさそうです。このような状況では、暗号化の代償にパフォーマンスの低下を受け入れるメリットがありません。確信が持てない場合は、データ セキュリティのエキスパートにご相談ください。
データを保護する必要があるとしても、まだ暗号化する必要はない可能性があります。アプリケーションを LAN 上で単独に実行しており、ネットワーク インフラストラクチャの物理的なセキュリティに満足しているのであれば、暗号化は必要ありません。
特定のクライアントとの通信を暗号化
次に、あなたのデータベースに接続する大口の取引先がリモート サイトにあるとします。リモート クライアントとの通信でのみ暗号化を使用したいと思われるかもしれません。これは、リモート クライアントの[ワイヤ暗号化]を[常時]に設定し、そのリモート クライアントがアクセスするサーバー値を[必要な場合]に設定することによって実現できます。内部クライアントはすべて[しない]に設定します。このようにして、サーバーは、暗号化を要求するリモート クライアントと通信する場合にのみ暗号化を使用するようになります。
特定のサーバーとの通信を暗号化
立場が逆転して、お使いの環境に 1 つ以上のリモート サーバーが入っており、それらのサーバーはあなたが 100% 信頼していないネットワーク インフラストラクチャによってアクセスされているものとします。この場合は、それらのサーバー値を[常時]に設定し、ローカル クライアント値を[必要な場合]に設定することができます。そうすると、暗号化を要求するリモート サーバーとの通信のみが暗号化されます。
すべての通信を暗号化
最後に、Pervasive ベースのアプリケーションをほとんどの場合 WAN や VPN、またはその他の 100% 信頼していない外部ネットワーク上で実行している場合は、データベース通信を 100% 暗号化したいと思われるかもしれません。この状況では、すべてのクライアントとサーバーで、ワイヤ暗号化 に[常時]を設定します。
暗号化レベルの選択
クライアントおよびサーバーは暗号化された通信を必要とするという結論に達したら、どの抑止レベルが要望に沿うかを決定する必要があります。
Pervasive Software Inc. は、お客様の特定の要望に沿った暗号化レベルについてアドバイスすることはできませんので、お客様が適切なデータ セキュリティ エキスパートを交えて検討される際に情報提供できるよう、いくつかのガイドラインを用意しています。これらのガイドラインは、暗号化されたデータを第三者から読み取られたりデコードされたりしないことを Pervasive が保証するものではありません。あらゆる暗号化方式と同様に、「解読できない」コードの類はありません。暗号化の種類によって解析する難易度が変化するだけです。Pervasive PSQL の 128 ビット暗号化は、極めて専門的な個人ハッカーが持てる技術と設備をもってしても、デコードすることが「非常に困難」であると認められています。
低度(40 ビット)暗号化
データが渡ってはいけない人の手に渡ってしまったとしても、そのデータによって組織や顧客が被る被害レベルがそれほど深刻でない場合には、この暗号化レベルの使用を検討してください。低度の暗号化を検討するもう 1 つの判断材料は、単純に、データがワイヤを通っている最中に不用意なネットワーク監視者にデータを読み取られたくないかどうかということです。
中度(56 ビット)暗号化
セキュリティに無頓着な監視者に備えてもっと強力な保護が何か必要であると確信しているが、最強レベルのセキュリティが必要だとは思わないような状況では、この暗号化レベルの使用を検討してください。
高度(128 ビット)暗号化
データにクレジット カード番号、社会保障番号、金融口座番号、または法律で保護されているその他の情報など、非常に秘匿性の高い情報が含まれているような状況では、この暗号化レベルの使用を検討してください。特に、お使いのデータベースが、インターネット ショッピング Web サイトやオンライン証券会社 Web サイトなど、慎重を期するデータを含んでいることで知られるネットワークのエンティティと関連付けられている場合には、この暗号化レベルを考慮してください。また、所属する組織が以前にデータ セキュリティを解析されそうになったことがある場合には、この暗号化レベルを検討してください。
暗号化の影響
暗号化を使用すると、クライアント/サーバーのパフォーマンスは低下します。暗号化をオンにした場合は、送信側でデータの各断片を暗号化し、受信側でそれをデコードする必要があります。暗号化なしで同様の操作を実行した場合と比べ、この処理には余分な CPU サイクルが必要となります。暗号化のレベルはパフォーマンスに影響しません。暗号化の使用によるパフォーマンスの低下は、3 つの暗号化レベルのうちどれを選択しても、おおよそ同じです。
オーナー ネームの暗号化
Pervasive PSQL は、ディスク上のデータ ファイルの暗号化をサポートします。データ ファイルがディスクに書き込まれる際に暗号化を必要とする場合、各ファイルにオーナー ネームを設定する必要があります。
詳細については、オーナー ネームを参照してください。