比較作業が劇的に効率化！ Araxis Merge の便利オプション 3 選

Diff（差分）ツール「Araxis Merge」は、初期設定のままでも十分に活用できる優れたツールです。
しかし、少しオプションを調整するだけで、見やすさや作業効率が大幅にアップする場面があることをご存じでしょうか？

本記事では、筆者が普段の業務で「これは便利だ」と感じたオプション設定を 3 つご紹介します。

あくまで筆者の私感によるおすすめですので、すべての方にとっての「正解」というわけではありません。実際の作業内容やファイルの種類によって、最適な設定は人それぞれ異なると思います。

とはいえ、レビュー作業やドキュメント確認の現場で「なるほど、こんな工夫もできるのか」と感じていただけるヒントになれば幸いです。

実際の操作画面は GIF を交えてご紹介します。ご自身の環境ですぐに試せるものばかりですので、ぜひ参考にしてみてください。

＊目次＊

1. 差分だけを際立たせる「前後関係のみ表示」
2. 適度な余白を追加して文章のまとまりを保つ
3. 「フィルター機能」で不要なファイルを除外し、比較のノイズを減らす
4. まとめ

1. 差分だけを際立たせる「前後関係のみ表示」

巨大な設定ファイルやログファイルを比較したとき、変更のない大部分に差分が埋もれてしまい、肝心の変更点を見つけにくくなった経験はありませんか？

そんなときはこのオプションを有効にしましょう。変更がなかった部分は数行の文脈（コンテキスト）を残して非表示になり、変更箇所だけが浮かび上がるように表示されます。

【設定方法】

メニューの [オプション] → 「変化のない部分は前後関係のみ表示(C)」 にチェックを入れる

補足：
ツールバーのボタンで変更箇所へジャンプすることもできますが、差分の前後にあるコードや文章のつながりも確認したい…そんな場面でこのオプションは非常に有効です。
ちなみに、表示される前後関係の行数（執筆時点では 10 行）は、以下の場所で自由に変更できます。ご自身の見やすい行数に調整してみてください。

【設定方法】

[オプション] → [テキスト比較] → [表示] → 「前後関係を示す」

2. 適度な余白を追加して文章のまとまりを保つ

ソースコードや長文のドキュメントを比較していると、数行の変更が密集してしまい、文章や段落の切れ目が分かりにくくなったことはありませんか？

このオプションを有効にすると、変更箇所の上下に適度な余白（パディング）が追加されます。これにより、差分が文章の自然な「かたまり」として認識できるようになり、全体の文脈を追いやすくなります。

【設定方法】

[オプション] → 「縦方向のパディングを追加して変更部分を強調(A)」 にチェックを入れる

3. 「フィルター機能」で不要なファイルを除外し、比較のノイズを減らす

大規模なプロジェクトのフォルダーを丸ごと比較した際、差分がないファイルや、自動生成ファイルが大量に表示され、「本当に確認したい差分はどこ…？」と探すのに苦労した経験はありませんか？

「フィルターの管理」機能を使えば、そんな比較のノイズを根本から取り除けます。拡張子やフォルダー名で比較対象を絞り込むことで、確認すべき本質的な差分だけを浮かび上がらせることが可能です。

例えば、Python プロジェクトのソースコードレビューに集中したい場合を考えてみましょう。

【設定方法】

[オプション] ダイアログの [フォルダー比較] → [フィルター] を選択し、ファイルフィルターに以下のように指定します。

*.py

この一行を追加するだけで、.json や .yml といった設定ファイル、__pycache__/ ディレクトリ、その他のビルド成果物などがすべて非表示になり、.py ファイルの差分だけを効率的に確認できます。

4. まとめ

Araxis Merge は、初期設定のままでも非常に強力な比較ツールですが、今回ご紹介したような設定を少し加えるだけで、日々のレビューやドキュメント確認の作業を、もっと速く、もっと快適にしてくれます。

今回ご紹介した 3 つの便利なオプションの中で、一つでも「便利そう！」と感じるものがあれば、ぜひご自身の環境で試し、日々の作業に取り入れてみてください。きっと、あなたのレビュー作業が驚くほど快適になるはずです。

まだ Araxis Merge を試したことがない方は、30 日間すべての機能が使える無料トライアルをダウンロードして、この快適さを実際に体感してみてください。
https://www.agtech.co.jp/araxis/merge/trial/